ゲーミング・イン・フェルノ

ゲームと趣味の雑記帳

ミテソロ

 

 ポケットモンスタースカーレットの感想記事です。

 

※エンディングまでのネタバレあります

 ポケットモンスターシリーズ最新作の片割れである本作、年始にポケットモンスターLEGENDSアルセウスが発売したところに同じ年内で完全新作が発売したのには驚きましたが、LEGEDSからのバトンをしっかり受け継いだ冒険RPGとして繰り出されたこちら、面白かったです。

 

 特に印象的だった点として、オープンワールドを舞台とした探索要素が押し出されていた初報から当初は軸となるストーリーにはあまり期待していなかったのですが、これがとてもおもしろかった所ですね。

 ポケモン世界の学校の課題として自分だけの「宝探し」を描く物語は、ストーリーが冒険を引き立て、探索がストーリーに軸を持たせる相互作用で面白さを倍増させてました。

 

 という訳で今回はそんなポケットモンスタースカーレットの思い出を章ごとのクリアシーンと共に振り返ります。

 エンディングまでのそれなりなネタバレ注意。

 

チャンピオンロード

 カエデさんと。

 むしタイプのジムで初っ端からエースのニャオハが切り刻まれる展開に。

 3つの軸の一つ、チャンピオンロードではジムリーダーとの戦いを通して最終的にリーグチャンピオンを目指すお馴染みのストーリー。

 今までは終盤ダンジョンとして使われていた名前ですが、今作では各地のジムを巡りチャンピオンを目指す道のりそのものが「チャンピオンロード」であるという呼称が粋ですね。

 

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 コルサさんと。

 いわタイプのウソッキーを新要素テラスタルによるタイプ変更でくさタイプとするのがオシャレ。

 草に有効なほのお・ひこう・むしタイプがいわ技に沈められていくのは普通に強力な戦法で参りましたが。


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 ナンジャモ。相変わらずキャクターにCVはつかないポケモン本編ですが、事前PVでバリバリ喋ってたナンジャモだけはプレイ中も脳内再生余裕でした。

 このルートだと1番苦戦した相手ですかね?ふゆう持ちのムウマージでんきタイプにして高火力の特殊技と混乱でゴリゴリハメられる絶望感たら。

 ポケモンって昔からこれくらいの手持ちが育ちきってない時期に当たるそれなりの強さのポケモンを繰り出してくるジムリーダーが一番手強いみたいなところ、ありますね。


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 ハイダイさん。かわいい写真。

 みずタイプを愛する者としてカラフシティ〜マリナードタウンはかなり好みのロケーションでしたね。噴水と滝が彩る白亜の街に賑わう市場の港町、どちらも最高のシチュエーションです。


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 アオキさんの貴重な笑顔。

 ゲーム開始時点でイベントボストレーナーの基本情報はマップで示されますが、その時一番きになってた非凡サラリーマンのアオキさん。実際に会ってみたら予想以上にオイシイキャラクターで良かったですね。まさかこの後四天王戦でも出会うことになるとは流石に予想できなかった。

 ジムチャレンジも個性的で、バトルもノーマルタイプの安定感ある力をものにしてるスタイルで面白かったです。


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 キハダ先生との関係が気になるリップさん。美意識の感じられるテラスタルモーションがすき。

 リップさんといえば手持ちで繰り出してくるクエスパトラが全体的にはダチョウシルエットながら、嘴状のパーツの根本に口があることで人面風になってる訳のわからなさがエスパーポケモンの醍醐味って感じのナイスデザインですきです。

 焼き物が名産のベイクタウンでタイルアートとして初代ポケモンのドットアイコンが登場しrたのは良いファンサービス。


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 ライムさんと。いい写真だ。

 いつもの植物ネーミングを軸にラッパーでライムとかメイクアップアーティストにリップとか、地面使いのチリなんかも良いネーミング。

 DJ BOCHIかわゆす。


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 グルーシャくんと。さいかわ写真。

 今作のジムリーダーは基本的に戦闘時以外にほぼ出番はないですが、再戦イベントで掘り下げられる部分が味わい深くていいですね。

 事故で挫けた心に熱さを取り戻そうとするグルーシャ、新たな視点を開くアオキ、ジムリーダーとしての在り方を考えるカエデなどみんな色々考えてる中で、1人再生回数爆上がり!の話しかしてないエレクトリカルストリーマー氏の人生楽しそう感が光る。

 

 そして四天王戦からのチャンピオン戦。写真無かった...。DLCで再戦の場が用意される事に期待ですね。

 今作の四天王はバトルが終わった後も部屋に残る関係で絡みが多くて楽しい。兼任のアオキさんも新鮮で。

 バトルは手持ちのレベルも上がってそれなりに順調に行きましたが、やっぱりドラゴン使いのハッサク先生はなかなか手こずりました。マスカーニャのじゃれつくが貴重な勝ち筋。

 

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 そして同じチャンピオンランクになった事でライバル宣言を掲げたネモとの決戦でフィニッシュ。

 序盤から過剰なまでのバトル熱を見せてきた彼女ですが、このシナリオでの交流で共に競い合える友に恵まれない孤独の翳りが輝き出す様は真っ直ぐな青春の1ページといった爽やかさで良かったです。

 

・レジェンドルート

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 ガケガニ戦後。

 レジェンドルートは奇書スカーレットブックに記されたヌシの情報を元にそれらが守る秘伝のスパイスを探すルート。サンムーンやLEGENDSのボスポケモン巡りに近い雰囲気。

 カニポケモンも数が増えてきましたが、ガケガニはゲーム中でもアヒージョにされてる直球の食材扱いでビビりました。

 本作は各地に料理店が溢れ、街の名前も料理用語関係だったりと食にまつわるフレーバーが多彩ですが、このルートで同行するペパーの手持ちたちも含めポケモンたちもなんだか生々しい食の匂いが漂ってるのがある種の魅力。


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 ミミズズ戦後。ミミズにパペットみたいな顔と手足をつけたデザインがいい味出してる。

 レジェンドルートを進めていく事でキーキャラクターのペパー先輩の寂しさを抱えた生い立ちや、怪我を負ったマフティフを元気にしてやりたいという目的が見えてきますが、こうストレートにポケモンと人間の関係をぶつけられるストーリーも意外と今まで無かったのでハートに刺さりますね。


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 オトシドリ戦後。コウノトリをあんな邪悪な面構えのポケモンにするセンスが光る。

 レジェンドルートはスパイスの力でコライドンが本来の力を徐々に取り戻すことでひでんマシンのように行ける場所が増えていく要素がありますが、同時に幼少時の関係からコライドンにいい印象を持っていなかったペパーが徐々にコライドンにも心を開いていくのが後々のシナリオにも効いてくる訳ですね。


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 イダイナキバ戦後。

 ここで今作のキーワードの一つ、パラドックスポケモンが初披露目。見た目は既存のポケモンの未来・古代の姿といった感じですが、現代に現れるきっかけとなったタイムマシンより以前に発見されてる、怪しいオカルト雑誌で特集されてる等、素直に子孫・祖先とは言い切れない怪しいフレーバーにポケモンらしいひねくれさを感じてワクワクしますね。


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 そしてこの偽竜のヌシ、ヘイラッシャ・シャリタツ。今作でもトップクラスにお気に入りのポケモン達です。

 クエとホンソメワケベラを彷彿とさせるような共生関係の生態。巨大水性生物の迫力を存分に表すオオナマズのフォルム。湖に転々と転がる寿司に擬態する小ドラゴン。それを偽竜と言い張る面の皮。どれをとってもハイセンスで素晴らしいですね。どういうことなの。


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 そんなこんなで集めたスパイスの力ですっかり元気になったペパーのマフティフ。オーリム博士にエリアゼロに来てくれと言われ、主人公と共に行く力があるかを試すべくバトルしてくれ...と言われる訳ですが上の画像の通り、どエラい強くてビビりました。病み上がりのマフティフ君おつよい...。

 今までのヌシ巡りで使ってきたポケモン達を育て上げたパーティ相手の決戦はアツいシチュエーションで良いですね。BGMも湧き上がるような力強いメロディーがマッチしてる。

 

 3つの軸の内、実際にクリアしたのはこのルートが最初でしたが、ペパー戦の後にエリアゼロに行く前にバトルや機械に強い仲間を集めたいと言われた時はナルホド!と唸ってしまいました。それぞれの冒険の果てが一つに交わろうとする予感を感じながら風雨に向かって走り出すペパーの背中が印象的な幕引きでした。

 

・スターダスト☆ストリート
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 チーム・シェダルにて。握力が!

 スターダスト☆ストリートは所謂「悪の組織」的なチームであるスター団との戦いを軸にしたルートですが、戦いの中でスター団が結成された背景や今も戦い続けてる理由が語られるストーリー。

 メロコは順番的には2番手相当のレベルですが、配置や事前の顔出しの関係で最初に当たった人も多いとのウワサ。私も最初に挑んでひでり状態のコータスやレベル高めなスターモービルの力に苦戦させられました。デカいブーツに引っ張られてチョコチョコ歩くのがチャームポイント。


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 チーム・セギンにて。

 ピーニャはスター団の音楽担当だそうですが、担当が決められてるだけあってかスター団のBGMはどれも名曲揃い、今作では特にお気に入りのものが多いです。

 ゴリゴリにギターをかき鳴らすメロディーから、泣きの入ったサビへの流れがアウトサイダー達の反骨心と哀愁、失われかけてる彼らの輝きの残光を感じさせて沁み入りますね。


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 チーム・シーにて。

 どく使いのシュウメイ殿、このゲームでは上位に入るくらには手強かったです。エースがくさタイプなのもありますし、どくタイプは火力と耐久力を両立させてるものが多くて厄介でしたね。南から反時計回りに攻略を進めていましたが、ここで逆回りにルートを開拓せざるを得なかった程度には厄介な相手でした。


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 チーム・ルクバーにて。

 スター団のメカニックのオルティガくん。スター団が戦いの最後に繰り出すブロロロームの特殊個体スターモービルは彼が開発してるらしいですが、RPGとしてのポケモンを愛するものとしてはこういうNPC専用の限定ポケモンみたいなのは攻略の幅が広がって楽しいので大歓迎ですね。

 この辺りから闇に葬られたスター団真実が徐々に明らかに...。


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 チーム・カーフにて。

 そして今作最も苦戦させられた相手とも言えるビワ姉。高火力・高機動な格闘ポケモンたちに持久力で守りも厚いスターモービル。一度コテンパンに完敗させられた後の再戦もかなりの苦労の末の勝利でした。

 実力も人徳も兼ね備えた恐るべき相手でした...。

 

 そして最後にスター団のマジボス・カシオペア、その正体であるネルケとの決戦に...というのはクラベル校長の苦心の策。本ルートのキーキャラクターの一人である校長ですが、生徒たちの為に変装までしてスター団の実情を探り、最後まで寄り添った判断を下そうとする姿勢が素敵な先生でした。


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 という訳で本物のマジボス、ボタンとの決戦。本気で戦ったマジボスが打ち破られることでスター団は解散、メンバーは退学処分を免れるというのがボタンの狙いだった訳ですが、スター団メンバーにとっては団こそが輝かしい居場所であったというすれ違いがほろ苦いエピソード。ハードコアにキマってる星空が降ってくるような決戦BGMが敗北を前提としたボタンの悲壮な決意を描き出してました。全てを終え、ボス達がボタンと顔を合わせる場面のバラバラなお疲れ様でスターポーズが泣けますね。

 

 各ルートはプレイヤーが手持ちのポケモンと共にパルデア各地をめぐる冒険譚でありつつ、競い合う友を求めるネモ、傷ついた家族を癒したいペパー、仲間たちの居場所を守りたいボタンがそれぞれの孤独な背景を乗り越え、輝く宝物を得る道のりを共に歩んで行けたような達成感と愛着が湧いてとても楽しい旅路でした。

 

 そして旅は折り返し...。

 

・ザ・ホームウェイ
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 エリアゼロをめぐる冒険ザ・ホームウェイへ。

 コライドンの謎、パルデアを襲う危機の前兆、姿を見せないオーリム博士の謎を前に、今までバラバラに旅してた面々が集合、凸凹ながら頼れるチームとして同行します。


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 エリアゼロで記念写真。仕様上みんなスンっとしてますがいい思い出です。

 ライバルや友達トレーナーと共に冒険を行くのは今までのシリーズにもありましたが、今作は今までのルートでそれぞれ交流した上での合流なのでそれぞれのキャラクターへの愛着はありながら、各々はエリアゼロで徐々に仲を深めていく様が演出的にもシナリオ的にもスマートで良い同行ですね。

 ラスボスであるオーリムAI戦もほぼ初見でタイプ構成も複雑で強力なパラドックスポケモン達を攻略していくガチバトルから、これまで一緒に旅してきたコライドンが真の力を取り戻す最終決戦まで最高の熱量を保ったまま走り抜ける最高のバトルでした。

 シリーズの源流でもある映画スタンドバイミーやゲームMOTHERシリーズを彷彿とさせるような若き日の冒険譚であり壮大な危機への挑戦でもある最後のこのルートは、今作のクライマックスにしてポケモンシリーズの一つの到達点でもある良い体験でした。


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 パルデアの仲間達と。この世界で出会った多くのポケモン、人々、景色、物語が宝物ですね。


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 そして旅を一緒に歩んできた手持ち達。

 頼れるエースのマスカーニャは専用技の性能と演出が共にハイレベルでずっと一緒に戦って楽しい相棒でした。グレンアルマは進化前は弱々しかったですが進化してからは持ち前の火力で大活躍。タイカイデン、イルカマン、エクスレッグはどれも念願のモチーフ選出で嬉しかったですね。

 そして寿司。バトルではあまり活躍しなかったですがかわいいマスコットです。

 コライドンくんも最初から同行して最後に力が解放される伝説のポケモンという新しい形はポケモンのゲーム性と合わさっていつにも増して愛着が湧きました。

 

 そんな感じでとても楽しかったです、ポケットモンスタースカーレット。

 まだまだ世界に残された謎も多そうですし、楽しみです。

 

オレスシー > (・ω・)))><