ゲーミング・イン・フェルノ

ゲームと趣味の雑記帳

やはりプリチャンは最高

 

 結構前になりますが花々しく最終回を迎えましたアニメ「キラッとプリ☆チャン」、通称プリチャン。☆のせいでタイトルの検索性が微妙に低いのがチャームポイント。

 先日も何もしばらく日記を寝かせてる間にシリーズ新作も始まっちゃいましたが。ワッチャッチャ。

 

 普段アニメをほぼ観ない私ですが、ニチアサの流れで見始めて3年間存分に楽しませていただきました。

 2018年4月からスタートして全3シーズン。コロナ禍による制作への影響で2ヶ月程を再放送で埋めるも、その後5月末まで放送が延長されるなどこのご時世では恵まれた部分もあった最後ではありましたね。

 

 今更ではありますが折角なので取り留めもない語りをつらつらと。

 メインターゲット外の人間が斜めから見た感想なのであしからず。

 

・プリチャンは

 タカラトミーシンソフィア共同開発のアーケードゲームを元にしたアニメシリーズの一つで、動画配信者とネットアイドルを掛け合わせたようなモチーフが特徴の作品です。

 

 毎シーズン目標となる大会優勝のようなものが緩めの縦軸として設定されてはいますが、ゲームとの連動要素としての側面があるので縦軸としては割とゆるいものです。

 そんなプリチャンの魅力はなんといっても登場人物達がやりたい事を自由にやってみる日常回にこそありと言いますか。各々の興味やスキや個性を奮って「やってみなくちゃわからない、わからなかったらやってみよう!」を合言葉に時に楽しく時に頑張って。時にはコメディカルに時にはカオスに。

 前向きなメッセージをあったかなストーリーに包んで嫌味なく包み込んで送り出すポップさと、ほんのり仕込んだシニカルさと、全力投球のユーモアと。それがプリチャンでした。

 

 という訳で選んでみた個人的に好きなエピソード8選です。

 

・第16話「心の迷いを抜けてみた!」

 りんかがユヅルへの負い目から抜け出した、キラリ覚醒☆リンカーネーションの全力披露回。

 りんかが自分で閉じ込めたプリチャンへの思いを周りの人達の柔らかなやさしさが後押しするプリチャンの基本に沿ったエピソード。

 このエピソード自体もいいですが後にオープニングのりんかパートが幼少期の自分を受けとめて舞台に立つスタイルに変身する演出に変わるのがアツい。

・第35話「友情、時をこえてみた!」

 えもちゃんの祖母マーサの親友との思い出とともに語られるプリチャン配信の始まり。

 基本ドタバタドッカンなプリチャンの中で珍しい(比較的)しっとりエピソード。

 まさか3期クライマックスにて回収されるとは思わず、それも合わせてエモーショナルな回ですね。

・第50話「夢のプリ☆チャン、やってみた!」

 1期クライマックス回。

 頂点を極めた自らの活動の終わりを告げるアイランジュのパーフェクト・フィナーレに対して、新たな始まりを宣言するオープニング曲キラッとスタートを堂々掲げての決着。

 先に満点に到達したアイランジュに対して無限に点数を伸ばし続けるミラクルスターズが勝利をもぎ取る流れも鮮やかに粋でクライマックスの決着エピソードだけで言ったら一期のこの流れが好きですね。

・第56話「まりあが宣言!かわいいは世界を救うんだもん!」

 平和なプリチャン界にシーズン2で衝撃のデビューを果たした金森まりあ氏を掘り下げるメイン回。

 人類皆かわいいが基本理念なまりあの力強いポジティブさから放たれる博愛が全てを包み多幸感に支配された人類と世界は永遠に平和(ミンナオメデトー)。そんな回。

 進行役のえもちゃんとのコンビもいい感じ。

・第71話「歌え えもちゃん! なんとかなるなる!だもん」

 将来の夢に迷うえもちゃんがなる店長との交流を経て、今は迷いながらでもやりたいこと探しながら進んでいこうというエールを発信する新ライブ発表回。

 ジュエルコーデを中々取得出来なくてもへこたれずに突っ走るえもちゃんの良さが溢れてますね(そのポジティブさが元で後にあんなことになるとは...)(あんなだけに)。

・第77話「ナゾのアイドル ついにデビュー! だもん!」

 ナゾのアイドル『だいあ』、そしてそのデビュー曲『フレンドスワード』の初披露回。

 シリーズ総ざらいのベストセレクションにも選出された名エピソードで、私の最推しキャラのメイン回ですが...詳しくは後で!

・第84話「ロケットハート! 宇宙に届け!だもん!」

 宇宙って良いよね!回。

 それ以上掘り下げるところもあまり無いように見える回ですがこれぞプリチャンの醍醐味とも言えるエピソードでして、この中でもイチオシです。

 未知への探求や好奇心、挑戦と発信のキラメキをゲストキャラ星姉ぇのかつては夢破れても新たな道で生きがいを見つけたほろ苦くも暖かいエピソードと共に描き出し、最後は新曲ロケットハートで華々しく締めた綺麗にまとまった一話。

 そしてそのほのぼの空間をロケットで吹き飛ばす主人公の奇行が炸裂する伝説の回だったりも...それも追々。

・第116話「ハッピーラブリィウェディングラビ!」

 シーズン3、リングマリィによるウェディングライブとラビリィの正式お迎え回。この回は前2話と合わせてリングマリィ・ラビリィ3部作の様相ですがシーズン3はこの辺りの回に限らずラビリィ周りのエピソードがすきですね。

 孤独から解放されたラビリィの心を祝福するかのようなコトバ・ブーケの調べが沁みます。

 

 3シーズンともなると絞り込むのに迷いますし、また選んだら変わってくるかもなんですが今はこんな感じですかね。どれも名エピソードです。

 先述した通り日常の単発回がすきなのですが、こうして見ると主人公であるみらいメインの回といえそうなのがキラッツ全員メインのロケットハート回くらいですね。

 

・そうなんだよ桃山

f:id:lennlenn:20211107225208j:image

やる気満々

 そんなプリチャンの主人公である桃山みらい。

 物語全体にガンガン首を突っ込んでバリバリ話を回していくタイプの主人公ではなく、特に序盤ではそのキャラクター性が浸透されてないのもあって本編の背景ネタですら「イマイチ目立たない」などとイジられる程度には存在感薄めの主人公だと認知されてた節がありましたが、そんな彼女の在り方こそがプリチャンという柔らかな物語の象徴にして縁の下の力持ちだった訳なんです。

 

 他人や日常に秘められたキラメキに目を光らせる好奇心を絶やさず、しかし友人相手でも良い距離感を保ち過剰に踏み込まない。でもいざという時の行動力と馬力は誰にも負けない。

 ポップでありながらどこか大人びていて、それでも基本は年相応に。まだまだ中学生の繊細さと人気配信者の度胸を兼ね備えたオンリーワンの主人公です。

 

 そして一方ではそんな関心の高い事柄に対する集中力の高さとそうでもない場合のさっぱりした距離の空ける方が醸し出す独特のマイペースさというか、主人公にあるまじき塩感というか、まろやかなサイコ感というか、とにかく一言では言い表せられない味わい深さが魅力でしたね。そうなんだ。

 目を閉じれば思い出します。みんなで水泳レースしてる最中に傍の洞窟に興味が移ってコースアウトするみらい、誰も誘い合わせず一人で夏フェスに行って一人で満喫するみらい。ボタンを見ると何故か押しちゃうみらい。そのせいでロケットに閉じ込められ打ち上げられそうになるも20秒で覚悟を決める桃山みらい。どれも懐かしい思い出です。

 

 そんなみらいが全体を通して番組にキラメキとトキメキとスリルとソリッド感を与え続けたことが、プリチャン通年のあの独自のカラーの屋台骨だったと思うんですね。そうなんだ。

 

・そしてプリチャンのライブは特別

open.spotify.com

 もちろんキャラクターやストーリーだけでなく、3年通して安定してハイクオリティだったライブシーンもプリチャンの魅力ですね。

 どれも良いですが特に好きなものをまた幾つか。どれも良いですけどね。

ワン・ツー・スウィーツ

 我らが桃山みらいのソロ曲。プリチャン最初期の曲ですがこの頃からすでにハイクオリティな演出とダンスモーション、キャッチーなメロディーにみらいらしいハイテンションかつ捉え所のない歌詞とこの頃からフルスロットですね。桃山さんが楽しそうで何よりです。

Play Sound☆

 める抜きメルティックスターのあんな・さらでのデュエットソング。メルティックの初披露曲ですがさらのカラー強めなゴリゴリのロックサウンドで、しかしそこに合わせられる可憐なピアノの旋律があんなの存在感を示す絶妙な組み合わせで。2人のコンビとしての強みが溢れてますね。

 序盤のプリチャンは割とのほほんと見てた私ですが、この曲のライブシーンに衝撃を受けて一気にのめり込んだのでとても思い出深い1曲です。

SUPER CUTIE SUPER GIRL

 ミラクルキラッツの曲はどれもポップで王道的なアイドルソングでイメージが統一されてますが、それを突き詰めたきキラッツのテーマソングとも言えるのがこの曲。フレッシュでありつつどこか懐かしさも感じさせるサウンドの直球ストレートソングです。

 この曲をバックに駆け出す虹ノ咲さんなど印象的なエピソードとともに使用されましたが、中でもシーズン3のバーチャルランド回では1期の曲を3期のコーデで2期のやってみたアクションと共に繰り出す集大成が楽しかったですね。

パーフェクト・フィナーレ

 作中トップの実力を持つコンビ・アイランジュによる圧倒的な強度と終末感を浴びせかけるシーズン1のラスボス曲。

 曲単体だと頂点で満たされて飛び去って行くトップアイドルが続く後進たちにエールを送る真っ直ぐな卒業ソングみたいな曲ですが、本編中でアンジュとの別れを惜しむ主人公サイドにはラスボスの放つ最終魔法のような迫力のライブになるのが印象的ですね。

シアワ星かわいい賛歌

 金森まりあさんの例のアレ。全世界を幸福で包み込む絶対法かわいい憲法の発令を宣言する新時代の宣誓歌にして福音。それがシアワ星かわいい讃歌。

 落ち着いて語りますと、ラブリー属性のソロ曲で同属性のみらいの正統派アイドルソングとはまた違ったテイストのミドルテンポがしみじみと脳に沁みます。

ヒロインズドラマ

 赤城あんなのソロ曲。情熱的なラテン系のメロディに赤城あんなの気高いハートを乗せたような歌詞が良い。

 プリチャン最推しキャラはこの後で語る予定の人ですが、性格設定だけに絞ればあんなが一番すきでして、その生き様をそのまま映したようなカッコイイライブが最高ですね。

La La Meltic StAr

 メルティックスターのユニット曲は曲によってセンターポジションが変わり、それによって歌のカラーがガラッと変わるのがキラッツの統一感との大きな違いで特色ですが、そんな中でも3人のカラーがバランスよく表れてるまさにメルティックのイメージソングとしてぴったりなのがこの曲。

 あんなのノーブルなゴージャス感、めるのダンサブルなポップ感、さらのソリッドなロック感が融合したことで醸し出されるアダルティなオシャレさはハイブランドのCMソングと言われても通用しそうなクオリティですね。

Merry Merry Fantasia!

 シーズン3でのメルティックスター曲にして満を持してのさらメインのトリオ曲。やはり楽曲語りだとメルティックが強い気がしますね。

 全体的に遊園地をテーマにした楽曲で揃えられた3期曲の中でもやはりオトナな雰囲気のメルティック、現実と夢の中を行き来するかのような幻想的な揺らぎに引き込まれます。主演声優が荒ぶってユニコーンになってしまうのもむべなるかな(?)

コトバ・ブーケ

 全体的に遊園地をテーマにした楽曲で揃えられた3期曲の中で何故かチャペルの結婚式を始めてしまったリングマリィのデュエットソング。君たちバイキングシップの担当では...?

 煌びやかなメロディに聴いてるだけで恥ずかしくなりそうなピュアでハッピーな歌詞がリングマリィの持ち味ですね。

 エピソード語りでも出しましたが、何度かすれ違いもあったリングマリィの2人がたどり着いた「思いを素直に言葉に出して伝えよう」という素朴なメッセージが、そのままラビリィに差し出される披露回の流れが美しいです。

Awakening Light

 3期ラスボス曲。アリスを暖かく導くソルルの「Despertar del SOL!」とイブを優しく束縛するルルナの「Lustro della LUNA」が蝕のように合わさり産まれる激情的な愛の応酬が歌われます。曲調も単体ではそれぞれ美しいラテンやジャズの旋律ですが、こちらは荒ぶるチップチューンが容赦なく押し寄せてきて心をがんじがらめにされるようです。

 画面がネガったり隕石が降り注いだりするヤバめな演出も目が離せないまさにシリーズクライマックスで相対するのに相応しいライブですね。

フレンドパスワード

フレンドパスワード 〜Another World〜

MEMORIES FOR FUTURE

MEMORIES FOR FUTURE -Ray-

 4段重ね出ました。

 はい、これに関しては曲とその背景と歌い手と全部絡めてだいすきなんですが。という訳で 

 

・虹ノ咲さん

f:id:lennlenn:20211107225900j:plain

デカすぎる

 私のプリチャン最推しのキャラ、虹ノ咲だいあさんとその相棒バーチャルだいあです。シーズン2のキーパーソンにして黒幕にしてヒロインにして問題児にして裏主人公。

 服のデザインと本の世界が好きでそんなトキメキを誰かと共有したいと思いながらも内気で不器用な性格が災いして「友達」というものに対する憧憬を拗らせた虹ノ咲さんと、それを一歩引いた立場から後押ししてきたバーチャルだいあ(以下だいあ)の歩みとすれ違いと絆の再認が描かれたのがプリチャン2期の縦筋、そしてバーチャルプリチャンアイドルである2人のライブでした。

 

 デビュー曲「フレンドパスワード」は先述したお披露目回で虹ノ咲さんがだいあの姿を借りた「半歩踏み出す勇気」を持って華々しく歌い上げられました。ミュージカル調の壮大なメロディにバーチャルアイドルならではの幻想的な演出、そして何より圧倒的な歌唱力のパワーに溢れたこのライブのインパクトはすごかったですね。

 一方で中身の歌詞はと言えば壮大なメロディとは裏腹に、特別な手順を踏まないと得られない(と虹ノ咲さんが思い込んでる)「本当の友達」なる幻想に囚われた虹ノ咲さんの不器用極まった憧れの想いが綴られてます。高湿度高圧力の感情値を友達に向ける友情の曲ですらなく、憧れてるけどまだ友達になれていない(当人主観)相手に捧げる曲というのがまだまだ半歩踏み出したばかりの虹ノ咲さんの払拭しきれないコンプレックスや憧憬を感じさせる名曲ですね。

 それでも限界極まった虹ノ咲さんがアクセルベタ踏みで全部ぶちまけたクリスマス回、虹ノ咲さんがだいあの姿を借りずに自身の足でステージへ踏み出して歌った2番バージョンのライブはほのかに芽生えたポジティブさが感じられてこれもまた良かったです。

 そして晴れてみんなの友達の輪に入れた虹ノ咲さんですが、その後押しをしただいあは輪に入れず...。「友達」の有様に固定観念を持っていた虹ノ咲さんとバーチャル存在が故にかあくまで引いた立場に留まっただいあ、不器用な2人のすれ違いが始まってしまうわけですね。

 

そんなだいあが寂しさからか変容したアナザーだいあによるアレンジ曲「フレンドパスワード 〜Another World〜」、フレンドパスワードの晴々としたミュージカル風ライブとは一変したダークなテクノチューンにバグまみれの演出がだいあの暴走する感情の叫びを表してるようで。フレンドパスワードが「友達になるにはどこの窓口で手続きしたらいいんですか!?」と彷徨うような歌ならば、アナザーワールドは「手段とかもう知らないから友達になれーっ!!!」と抱え込んだ歌で、どちらも友情音痴を拗らせたいじらしさが心に刺さります。

 

そんなだいあの心を解かすべく披露されたのがシーズン2のクライマックスライブ「MEMORIES FOR FUTURE」。初披露回ではずっとだいあの応援を受けてきたプリチャンアイドル達の代表としてのみらいと、ずっと当たり前に隣にいた大切な友達の存在の大きさにようやく気がついた虹ノ咲さんによるだいあへのあなたもみんなの大事な友達なんだよというメッセージが切なくも優しく歌われます。また最終回では遠く旅立った虹ノ咲さんとみらいの離れていても繋がれるバーチャルアイドルの持ち味としてシーズン締めくくりにふさわしいライブとして、「特別なキッカケが無くても、これまで歩んできた思い出が友達の証」というメッセージで締め括られました。

 

 シーズン3では流石に出番を回す尺があまり無くエピソードも少なめで、全体的に「みらいちゃーん」が鳴き声のポケモンみたいになってましたが、随所でシーズン2から成長した姿やちびだいあとのコンビネーションを覗かせてくれて嬉しかったです。ボスポジションのルルナの力にも屈しないトリックスター的なポジションが美味しかったですね。

 そんな2人による「MEMORIES FOR FUTURE -Ray-」はアレンジ元曲の持ってたメッセージから更に発展した「これから先も同じように友達として歩んでいこう」というエピローグ的な展開が泣かせられます。曲調もちょっと明るめ前向きに。

 不器用で迷って閉じこもってばかりいた2人が辿り着いた実に平凡で素朴な友情の在り方。それが偶然にも出会って結びついたバーチャルプリチャンアイドル「だいあ」のキセキだった訳ですね。本当にだいすきなコンビです。

 

 はい、こんな感じで語ってみた。以上になります。

 久しぶりにちゃんとリアルタイムで追いかけたアニメでまだまだ語りたいエピソードや曲もありますがとりあえずはこんなところで。言葉を尽くしてもきっと物足りなさは絶えないでしょうからとりあえず。

 

 やはりプリチャンは最高。そしてプリチャンのライブは特別。

 

以上! > L(・ω・))))><