ゲーミング・イン・フェルノ

ゲームと趣味の雑記帳

【雑記】パルケエスパーニャ!

 ポケットモンスター最新作、スカーレット・バイオレットの最新情報が公開されました。

 初報ではオープンワールドポケモンという事くらいの情報しか出てませんでしたが、色々気になる要素が発表されてましたね。

 

 伝説のポケモンのミライドンとコライドンにバージョン違いの博士たちの古代ルックとフューチャーファッションと、今作のテーマは過去と未来になるんですかね。LEGENDSのポケモン達も絡められそうなモチーフでワクワクします。 

 新しいポケモンにはオリーブポケモンのミニーブにイベリコ豚モチーフのグルトンとなんだか美味しそうな。ピザができそう。恒例電気ネズミのパモちゃんもかわいい。

 

 驚いたのが通信による4人同時プレイですね。LEGENDSアルセウスではフィールド探索をしながら協力プレイできたら楽しいだろうけど技術的に難しいかなー、なんて思ってましたが遂にですか。楽しみです。

 それにしても今作は公式HPにも冒険の順番が決められていない自由な旅がポイントだとあるように、ジム攻略に重きを置いた剣盾、図鑑作成にフォーカスしたLEGENDSでポケモン本編の2大要素を極めた後、じゃあ次はプレイヤーの好きにやれるフィールドを用意するという流れが面白いですね。

 

 LEGENDSもまだまだ楽しんでる現状ですが、先のポケモンも楽しみです。

 

以上! > L(・ω・)))><

 

エグゼイド2周目感想 第6話〜リズム天才

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装動ドレミファビートゲーマくん。アーマーがマスコットになる素敵仕様。

 

前回

lennlenn.hatenablog.com

 

 エグゼイド2周目感想、第6話です。

 ドレミファビート編であり、飛彩の内面に切り込んだ回となります。冷徹な天才外科医の心は何を叫ぶのか...!

 

 前回で登場人物や基本設定が出揃い、2週目序盤で事実確認したかった部分も概ね触れられたので、ここからはポイント部分の感想をコンパクトにまとめていきたいですね(なんせ今までの書き方は時間がかかる)。

 

第6話「鼓動を刻め in the heart!」

 

・前回からの話と次回への話

 黒いエグゼイドに念入りに痛めつけられた貴利矢とグラファイトに激昂して向かっていった大我。なぜ貴利矢が黒いエグゼイドの正体について嘘をついたのか、大我がかつて倒せなかったバグスターはグラファイトだったのではないかと次回以降へのフリが効いてます。

 また前回ドクターの手に掛からず分離したゲキトツロボッツのコラボスバグスターはゲンムが分離したらしいのですが、ゲンムレベル1の出番は貴重なので映像で見たかったですね。

 ロボッツと同じ患者に感染させたという今回のバグスターは、ドレミファビートのコラボスバグスター。音楽を使った攻撃に対して音ゲーの要領でリズムを刻むことで攻略するバトルが独特で楽しい。棒立ちでミス出しまくるブレイブかわいい。

 黎斗のゲンムへの変身も初披露。無駄を省いたスタイリッシュな変身が良いですね(後にどんどん無駄が増えていくことに目を背けながら)。

 

・飛彩と小姫と大我

 グラファイトとの件を大我にぶつける飛彩の「俺なら小姫を救えた!」という叫びに言葉を詰まらせる大我が辛い。他のドクター達を戦いから遠ざけようとする大我の本心も、特に飛彩に対しては余計に積もるものが多そうです。

 「そこまで言うならやって見せろ!」と吐き捨てグラファイトに無謀な戦いを挑む飛彩を見てほくそ笑む大我も、ゲーム病患者に対してどうせオペをするから発症させた方が話が早いなどと言い出す飛彩も、この頃の2人は因縁の相手をようやく見つけたことによる焦燥から余裕が無くなってますね。医者として消えそうな命は守るという最後の一戦は守りながらも荒れた言動が出てしまう色々抱え込みがちな2人。そんな2人もこの先の永夢や貴利矢・ニコ達との交流で視界が開けて態度も軟化していったんだなと再確認できました。

 ドクターを目指して猛勉強中の飛彩を動揺させまいとゲーム病の事を隠していた小姫さんと、それに気付かず愛想を尽かされていたと自重する飛彩。不器用な人たちですね。

 

・ドレミファビート

 ゲーム病の治療そっちのけで我を忘れグラファイトに突撃するブレイブを、身を挺して守るエグゼイド。ボロボロの永夢から語られた今回の患者が恋人の負担になりたくないからゲーム病の事を黙っていて欲しいを言う願い、それはそのまま小姫さんが飛彩にした事と重なります。このシーン、今まで飛彩が軽んじていた永夢の患者に寄り添い患者の事情を理解するという行為が、ゲーム病患者だった小姫さんの思いを現在の飛彩に届ける形になっていて美しいですね。小姫さんの様な悲劇を生み出さない為にも患者の私情を切り捨てていた飛彩に見えていなかった物を、永夢の水晶(©︎黎斗)が映し出した訳です。

 小姫の想いを知り「世界で一番のドクターになって」という言葉を改めて胸に抱いた飛彩。もはや仮面ライダーブレイブの刃に迷いは無く、更にかつてエグゼイドに指摘された宝箱のアイテムを活用できていないという点も2種類のアイテムから即座に有効な高速化アイテムを選び使用するという魅せっぷりでコラボスバグスターを一蹴。後に築かれる永夢と飛彩の程よい距離感が生み出すエグゼイドとブレイブの関係性の始まりが見えた気がします。

 そしてブレイブが手に入れたレベル3ガシャット、ドレミファビート。堅物な飛彩にポップなミュージシャンスタイルのギャップがいい味出してる。音ゲーダメダメだったブレイブも、心肺蘇生法の心臓マッサージのリズムを利用することでビートを刻む鮮やかな攻略法によりグラファイトを撃破。ゲームの経験不足を得意分野で補う飛彩のセンスが光りますね。まさにゲームと医療の融合したこの作品らしい名バトル。ダンスミュージックアレンジされたEXCITEやブレイブレベル3のテーマBGMも盛り上げてくれます。

 

 そんな所で少し表情に余裕ができた飛彩の顔で締めな第6話。エグゼイドのモチーフ活用と各キャラクターの心情が見え始めたストーリーが見所のエピソードでした。

 

次回、ギリギリでウソつきな

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エグゼイド2周目感想 第5話〜スーパーロボッツ大戦

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装動ロボットアクションゲーマー。迫力のロボットアーム。

 

前回

lennlenn.hatenablog.com

 

 普通に2年開きましたが、youtubeでエグゼイドが配信される番が回ってきたのでしれっと再開。積みゲーってやつですね。

 サボってる間に相変わらず元気なヤツが復活したり消えたり復活したりを繰り返してますが、そのタイミングでこの回なのが運命的でイヤですね。

 

 そんな第5話はメインライダー4人の紹介が完了したところで始まるレベル3戦線。揃いも揃ったクセのあるメンバーが1つ上のステージでさらに深く掘り下げられ、キャラクターもアクションも加速が始まる回となってます。

 そして忘れちゃいけない、忘れることなんてできないアイツが遂に動き出す...。

 

 恐ろしいのは…

 

第5話「全員集結、激突Crash!」

 

・動き出すバグスター

 バグスター組、特にグラファイトはここから本格参戦。この辺りでのバグスター達はゲーム病患者の消滅により完全体となったバグスターの仲間を増やすことを目的としており、パズルを組むようにじっくりと事を運びたいパラドと邪魔者のライダーを片づけつつ手っ取り早く進めたいグラファイトで若干の対立がある様子。

 グラファイトは仲間を増やすことでバグスターが世界の支配者になることを目論んでるらしく、後半で復活した際の敵キャラとしての戦いの決着に拘る武人的なキャラとの差異が見られますが、その辺はこの先のドラゴナイト回で敗れることで世界の支配よりライダー達との勝負にこだわるようになった変化なんしょうね。1年放送の長期ドラマではよくある設定の変遷と見ることもできますが、グラファイトが散り際に密かに残した仲間達とライダーそれぞれへの言葉を思うとどちらも彼の中にあるものなんだと腑に落ちます。そこを掘り下げるはまた先の話で。

 「ようこそ、レベル3の世界へ!」というパラドの宣言がここからの新展開へのワクワクを高めます。

 

・盗まれたガシャット

 10のガシャットの内、未クリアの4本が盗まれたと報告する黎斗。なんて白々しい。

 盗んだ男は人間体のグラファイトと。バグスターにゲームスコープを使うとゲーム病感染者という診断結果が出る設定、確かこの回でしか出てこないですが興味深いですね。

 この辺りの黎斗とパラドの動きはガシャットを実戦投入してのデータ収集が目的といった所ですが、わざわざグラファイトに盗み出させたのはゲーム病感染者を生み出させて後の仮面ライダークロニクルに登場するバグスターのデータを平行して収集する為でしょうかね。ライダーのデータも集まり一挙両得なプランですが、盗人役をさせられたグラファイトにはまどろっこしい作戦なのは想像に難くなく、後の独断変身に繋がってくる訳ですね。

 

・わちゃわちゃライダーズ

 ガシャット泥棒の治療を優先したい永夢に対し、盗んだガシャットの在処を聞き出すのが先だと飛彩。そしてガシャットが欲しい大我にバグスターの調査がした貴利矢。うーんバラバラ。序盤エグゼイドの醍醐味ですね。

 そこに現れたのはゲキトツロボッツのデータを取り込んだコラボスバグスター。対する永夢と飛彩の同時変身。思惑はバラバラでも最終的な志、ドクターとして人々の命を守ることが一致してる2人なので並びたっての変身もいつものチグハグさとは裏腹の安定感があります。

 汎用怪人素体のコラボスバグスターはレベル3編、ネットムービーゲンム編、平成ジェネレーションとこの後の出番も多いので印象深く、取り込んだガシャットのデータで変わる装飾が「コラボ」の名前にマッチしてて遊び心を感じさせますね(予算にも優しそう)。

 コラボスとの戦闘はバグスターの味方をする黒いエグゼイドことゲンムレベル3によって阻まれます。この作品、レベル1の差が圧倒的な実力差として描写されるのが特徴的。シビアなレベルデザインですね。

 

・ゲンムの正体

 そんな中、ゲンムの正体を見たとやって来た貴利矢に対して「何か様ですか💢」と塩対応な永夢。前回してやられた事を根に持ってますね。ドスの低い声が終盤のハイパーで無敵に強烈な迫力の永夢先生を思い起こさせてゾクゾクします。

 ここで貴利矢が言うには黒いエグゼイドの正体はガシャット泥棒(グラファイト)だと。明確に嘘ですがこの辺り、貴利矢の「真実を告げることが必ずしも正しいとは限らない」という思想や手札をキープして起きたい駆け引きなんかが絡んできてるんでしょうね。詳しくは次々回に。

 それにしても、その辺の路地で変身してるところを貴利矢さんにがっつり見られてる黎斗。あまりにウカツ。まぁ、その辺の微妙に詰めが甘い所と、それを異常な対応力でカバーする辻褄合わせヂカラが黎斗の魅力の一部ではありますが、めちゃめちゃ普通に変身してる所をめちゃめちゃ普通に見られててダメでした。

 

・水晶

 ガシャットを盗み出した悪人でも見捨てられない永夢にお前の綺麗事はうんざりだと飛彩。それでも患者を見捨てるなんてドクターじゃないと突っぱねる永夢。

 性格や思想の違い、小姫を失った経験から冷徹で完璧な医師で在らんとする飛彩の決意、対して患者を守ることを優先してガシャットを大我に奪われたことも良しとしていた永夢の態度。これまで見えてきた様々な点から相容れない二人がお互いを受け入れられるようになるにはまだ時間が掛かりそうです。

 CRを飛び出し屋上で物思いに耽る永夢。エグゼイドのイベントスポットと言えば病院の屋上なイメージがありますね。数年後に放送された仮面ライダージオウとのクロスオーバーでもソウゴと永夢が病院の屋上で交流するフィーチャーっぷりが印象深いです。

 そんな永夢を追ってきた黎斗が語ります。曰く、君は水晶の様だなと。患者の心を自分自身の中に映し出し優しく輝きを放つと。でも悪意を持つ患者によって永夢の思いが踏み躙られたら水晶が輝きが失われ砕け散る危険があると。し、白々い...。この辺りはもう、自身で散々踏み躙る気満々...というか、すでに相当やらかしてる事を知っているこちらとしては、優しい忠告に思える語り口に乾いた笑顔を浮かべるのみです。

 しかし永夢に社長呼ばわりされて慕われてた頃のおとなしい黎斗、今では希少部位となってしまった分の滋味がありますね。

 水晶が砕けて云々という忠告に対し、それでも患者を見捨てるよりはマシだと力強く言い返す永夢はすでに完成されてるのに欠落しているかのような真っ直ぐさと危うさが同居しててマイティノベルまでの長い布石が既に撒かれ始めているかのようですね。

 

・全員集結、激突Crash!

 コラボスとガシャットの発見!からのゾロゾロ集まってくるドクター達。ガシャットを寄越せだのお前は邪魔だのと各々好きなことを言い合い、エグゼイド序盤のフォーマットが完成されています。仲良くしなさいよ。

 ゲンムにあんたの本当の正体は分かってるとカマすレーザーは案の定念入りにボコボコにされてしまい、真実を告げることのリスクを身を以て証明してしまった...。貴利矢と黎斗、2人の長い長い因縁も本格的に動き出した感がありますね。

 ゲンムの正体と思われていたガシャット泥棒が現れグラファイトに変身。「培養」というバグスター固有の変身キーワードに、身体を構築するウィルスを増殖させることにより正体である怪人の姿へ回帰してる様な演出が不気味でいいですね。痺れを切らしたグラファイトによるここでの正体バレはゲンムである黎斗には予定外のことらしく、この頃から単独行動しがちなグラファイトの傾向が見えますね。

 因縁の相手であるグラファイトの登場により激昂する大我とそれを見て何かを察する飛彩の視線。あらゆるフラグとストーリーが重層的にガンガン進行を初めてて見応えが出てきました。

 グラファイトの必殺技「激怒竜牙」、そんなのも有りましたね。ドドドのイメージが強いので忘れてました。敵怪人にしては珍しく必殺技名にこだわるのもゲームキャラのイズムといったところでしょうか。

 

・ゲキトツロボッツ

 グラファイトとゲンムによって壊滅するライダー陣。悪人である患者をどうするかという問題は一旦棚上げになたものの、ゲンムや今まで仲間たちに掛けられてきた厳しい言葉が永夢を揺さぶり、ゲーマーMとしての側面を目覚めさせ変身します。この頃の永夢は患者を救うための一本気な優しさは持っていても戦うため覚悟はまだまだ足りておらず、Mの部分がそれを受け持つことでなんとかライダーとして戦っていられている状態に見えます。彼の成長はまだまだこれからですね。

 ゲンムに挑むと見せかけ、先にコラボスを攻略することでレベル3の力を手にいれたエグゼイド。レベリングは大事ですね。

 巨大なロボットアームが目を引くエグゼイドロボットゲーマーは某マジンガー的な変身音がキャッチーで、ロケットパンチに突進パンチで追撃するキメワザもカッコいい。

 レベル差が詰まった途端呆気なくやられてしまうゲンム氏。開発者権限によるチートスペックでゴリ押す基本スタイルがすでに見て取れますがそれもこのライダーの個性なのでね。

 そんなゲンムの正体は...。

 

仮面ライダーゲンム

 退散したゲンムは変身を解除、その素顔は幻夢コーポレーションの社長・檀黎斗だった...!そんな...黒いエグゼイドの正体があの優しい社長さんだったなんて...!なんて放送当時思ってたかも思い出せないくらいにはお馴染みの顔ですね、はい。

 息を荒げ、身体を震わす黎斗に対して「恐れているのか?エグゼイドの力を」と煽るグラファイト。しかし黎斗の返事は「恐ろしいのは...私自身の才能さァ...!」と。こいつやべーですよ!

 演じられている岩永徹也さんやキャスト陣も各種インタビュー等で答えられているように、クールで知性的なダークライダーだったゲンム/黎斗のイメージを一変させた狂気の怪演。正体を表した黎斗の本格参戦もここから、正に全員集合なエグゼイドの本格的ゲームスタートである第5話の幕を閉めるに相応しい名シーンでした。

 

・おまけ:ヴァーチャルオペレーションズ

 レギュラー放送とは別に各種媒体で展開されていた[裏技]シリーズ、その一つが最初期の1〜5話と同時に配信されていた「ヴァーチャルオペレーションズ」です。

 当時目新しかったVRゲームをモチーフに他シリーズでいうところの変身講座的な内容となっていましたが、ミニドラマ内ではゲンムの使用するガシャットがマイティアクションXのプロトタイプである事や、グラファイトの暴走を咎めるゲンム、秘密を嗅ぎ回る貴利矢に警告を送る黎斗など本編の補足にもなってる内容もあり短いながら見応えがある内容でした。

 

 といった感じでチュートリアルも終了な第5話語り、今回は以上で。

 

次回、踊れ!

lennlenn.hatenablog.com

長き神話の果ての

 楽しい楽しい世界樹の迷宮設定語りの第3回。世界樹の迷宮V回です。

 

 こちら前回。

lennlenn.hatenablog.com

 

 順番通り3に行くと見せかけて今回はVです。

 

 世界樹の迷宮Vはシリーズでは逆に新鮮な、いわゆるRPG的なファンタジー色のカラーが強い世界を舞台に様々な種族の冒険者が集まる色鮮やかな世界観が魅力の作品ですね。カラーチェンジや現代学生風の立ち絵の追加DLCなんてものもあったりするので、それらを網羅した見た目バラバラの面々が心内では志を同じくするチーム。そんなイメージでパーティを考えてました。

 あとは新・世界樹の迷宮の流れを汲んだキャラクターボイスの実装などもこの作品からでしたね。折角なので全員にボイスを設定しまして、そこからキャラクターの中身を膨らませたり最初想定してたイメージとはまた違った一面を想起させられたりして面白かったです。

 

 という訳で私が楽しい楽しい設定語り、今回もクリアデータは無くなっているので新しく作ったデータとちょうどリアルタイムでTwitterで呟いていた頃の画像が混ぜこぜでお送りします。

 

 ※世界樹の迷宮Vの5層のネタバレあります。

 

 アルカディアの大地にあるという施設、「星夜の家」。

 かつて「騎士」の二つ名を冠していた老年の冒険者が引退してから建てたというその館では、様々な原因で家族や住処を失った子供達が種族の分け隔てなく引き取られていた。

 幼い頃引き取られてきたアースランの少年フリットは、成長するにつれ館の主人に聞かされた冒険の話に憧れ自らも冒険者を志す様になる。

 アイオリスの街で発令されたという世界樹探索の令に挑むべく、彼は夢を共有する仲間たちと訓練を積み旅立ちの日を目指していた。

 

 「騎士」と旅立ちを約束した日、18歳の誕生日。朝の日課で外回りをしていた彼は館の裏山に流れる川の浅瀬に1人の少年が流れ着いているのを見つけた。

 見たこともない服装に身を包んだ少年はほとんどの記憶を無くしていたが、ハッキリと覚えている事があった。

 

「行かないと…世界樹の頂上に…」

 

 偶然出会った2人の少年とその仲間達は旅立った。

 師から受け継いだチームの名、「スターリィナイツ」を掲げて。

 

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フリット (ボイス01 熱血)

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【年齢】17

【趣味】読書、射撃訓練

【好物】コーディアル、ベリー類、ローストビーフ

【特技】鉱石・古物鑑定

 スターリィナイツのリーダー。友情に厚い熱血気質だが、根は真面目で皆を率いるまとめ役。

 幼い頃に戦火で村を焼かれ独りで死にかけていたところを「騎士」に保護された。「騎士」直伝の龍砲と盾術を駆使して最前線で仲間たちを護っている。

 子供の頃から未知の世界に対する興味が強かったのに加え「騎士」に対する憧れから冒険者を志し、同じように冒険に出たいと思っていた仲間を誘って冒険に出ようとしていたところ、偶然家の近くに流れ着いた澪と出会い道行を共にするが…

 

・澪 (ボイス02 好青年)

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【年齢】18(?)

【趣味】天体観測

【好物】サイダー、白身魚

【特技】植物鑑定、拳闘

 星夜の家に流れ着いた記憶喪失の青年。ミオ。常に落ち着いている様に見えるが、気付くとふらっと単独行動しだすマイペース。

 どこから来て何をしていたのかは覚えていないが、アルカディアとは全く違う様相の街で暮らしていた思い出と「世界樹の頂上に登る」という使命の記憶が残っており、その記憶をたどり自身のルーツを探ろうとする。

 身体に染み付いていた格闘術と何故か有する世界樹の生態系の知識を頼りにそのまま一人で世界樹の迷宮に向かおうとしていたが、心配したフリットにチームに誘われ取り敢えず一緒に行くことにする。

 

 ほんの偶然で出会いチームを同じくした2人、しかし一見暑苦しい熱血漢だが内面は慎重派かつ理論派なフリットと、一見おとなしそうだが実は直感的で行動派な澪とは冒険者としての反りが合わない場面目多く、2人は冒険中に幾度となく衝突を繰り返す事になる。

 しかし冒険と戦いの中で助け合う内にフリットは澪の孤独の中にあっても希望を見出す芯の強さを、澪はフリットの傷ついた他者を放って置けない優しい人柄を認め合い、気の置けない相棒同士となっていくのであった。

 

 そんな澪の正体は世界樹第5層のビオトープを建造し管理していた先史時代の人間の生き残りだった。世界を滅びの化身から守る為に若くから星の再生計画に携わっていた彼は、原始の主によって他の仲間が滅ぼされる際に脱出装置により世界樹の下層に射出され脱出させられていたが、緊急脱出の衝撃と仲間の全滅のショックにより記憶を失ったのだった。

 しかして世界樹の頂上を前にして全てを思い出した澪にはギルドの友が新たな仲間として共に居る。そしてフリットはもう自分のような孤独な人間を生み出させないという強い意志が有る。

 滅びの化身を前に心を一つとした2人の冒険者を先頭に、スターリィナイツの最後の戦いが始まるのであった。

 

・シャオユ (ボイス34 クール)

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【年齢】19

【趣味】氷像・彫刻作り

【好物】ジャスミンティー、饅頭

【特技】木材鑑定、氷魔法

 子供の頃に森の奥に住んでいたルナーリア族の一員だったが、魔物の毒による環境悪化から起きた飢饉で口減らしのために捨てられていた所を「騎士の家」に拾われた少女。勝ち気で言葉に軽く棘があるが、世話焼きで放っておけない性格。手元の細かい作業が得意で一人黙々と木彫りなどを作る趣味がある。

 ほぼ同時期に少し遅れて拾われてきたフリットとは幼い頃から小競り合いや競走を繰り返し張り合いながらも、訓練で生傷を作りがちな彼を見守り育ってきた幼馴染。冒険者として活動することに興味はあまりなかったが、内心フリットと行くなら楽しいかもとは考えていたので、ギルドに誘われた際は口では心配だからしょうがないなと言いつつも嬉しく思っていた。

 そんな彼女も冒険の中での交流と経験が、他人の為だけじゃない自分の歩みたい道を見つけるための見識や興味を得る経験となっていくのだった。

 ギルドではフリットと澪の衝突を両成敗で諫めるポジションが多い。数年遅れで「騎士の家」に入居したマトイの事は年上ながら目の離せない妹のように思いつつ、普通の友達になりたいとは思っている。

 

・マトイ (ボイス33 真面目)

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【年齢】22

【趣味】鍛錬、昼寝

【好物】煎茶、干物

【特技】剣術

 幼い頃、山道で野盗に襲われ両親を殺されたところを「騎士」に助けられたセリアン。そのまま「騎士の家」に引き取られた際は獣のように気が立っていたが、「家」のメンバーと触れ合う内に本来ののんびり屋な気質を取り戻していった。

 今では大切な人を守る力を手に入れるために剣術を鍛えながら、のどかな日常を送っている。フリットのギルドに誘われた際は自身の力が活かせる時が来たとすぐに承諾した。

 素直で謙虚な性質が強くギルドのメンバーの事は皆尊敬しており、フリットと澪の意見の衝突の場でもどちらの言い分からも学ぶべき点があると真剣に受け止めぶつかり合うがままに見守るため、無自覚に2人の熱を覚ます事に一役買っている。

 「騎士の家」に来た気が立っていた頃からずっと辛抱強く寄り添ってくれたシャオユには特に強い憧憬を持っている。

 

・アニス (ボイス25 活発)

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【年齢】38

【趣味】料理、菓子作り

【好物】モヒート、珍味

【特技】薬草調合

 「騎士の家」の職員で「騎士」の友人。「家」では子供達の健康管理と炊事を主にしていた。メンバーの笑顔を何より大事にしており、話好きで宴会好きで盛り上げ役。少し厚かましく酒飲みで多少下世話。年長者として自分からフリットのギルドに押し掛け気味に加入した。

 かつて冒険者として活動していた事もあり優しく頼りになる大人だが、野次馬とお節介で首を突っ込みたがる性格のため、真剣に真に受けられるマトイ以外のメンバーのフリットには苦笑いされ、シャオユにはウザがられ、澪にはスルーされがちの残念な面も。だがギルドのメンバーを守りたい思いは本物だということも皆には理解されてる。

 皆を無事に世界樹の頂上に連れていくという「騎士」との約束、そして自身の信念のために最後まで戦いの中で奮闘し続けた。

 

 

 はい、こんな感じです。

 ちなみにギルド名の「スターリィナイツ」は直前のプレイしていたセカダンのものを流用しており、引退した元冒険者というのもセカダンで使用していたPCで...みたいな、楽しいですね。

 それでは次回に続く。

 

 以上! > L(・ω・))))><

【雑記】運命を変えて

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 FE覚醒が10周年だそうです。めでたいですね。

 

 10年前のあの頃、ルミナスアークきっかけでSRPGを色々触ってた期間があった私ですが、ファイアーエムブレムシリーズからは特有の取っ付きにくさを感じて距離を取ってました。

 そんな時期にこのファイアーエムブレム覚醒は公式サイドが初心者大歓迎な雰囲気をバシバシ出していたこともあり、始めるきっかけとしてピッタリな雰囲気だったと記憶しています。

 

 実際プレイしたらシリーズの基本的なシステムはそのままにUIやシステムの洗練さで初心者でも進めやすく、魅力的ならキャラクターに世界観を彩るBGMやビジュアルにハマっていきました。

 特にプレイ当時は3DSソフトの中でも随一の鮮やかな立体視表現、シームレスに移り変わる戦闘BGM等の演出等が新鮮で衝撃的でしたね。

 魔法の演出エフェクトなんかは今でも覚醒の物が1番すきです。

 

 今では過去作もほぼ触り続編も一通りプレイしてますが、やはり初めてしっかりプレイした本作が思い出深いです。

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 購入後3年間でこれだけ遊びました。そんな覚醒さんの話でした。

 

以上! > L(・ω・))))><

【雑記】ヤギとかヒツジとかオオカミとか

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 という訳でswitch版D.M.C.L、又の名をデスマッチラブコメをクリアしました。

 WiiU版を1ルートクリアしただけで詰んでましたが、その後にプレイしてドハマりたレイジングループで繋がりを示唆されたこと等もあってしっかりプレイし直したいと思いつつ、switchでバッチリコンプリートクリア。楽しかったです。

 

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 計算された構成の緻密な地盤を包むギャグギャグしい空気と、その下に潜む陰鬱で暗い流れ、それら全てを吹っ飛ばす爆発的展開の連続でとても楽しかったです。

 

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 副読本として再プレイしたレイジングループも改めて面白くて困りましたが。

 シリーズ世界の根幹を成すジンクスの設定や、両作品をつなげるあのキャラやあのキャラの背景など一層理解が深まって良かったです。

 

 そうしたら次は最悪なる災厄人間に捧ぐをプレイする流れかなーなんて思いつつ。

 

以上! > L(・ω・))))><

 

ゲーミング・インフェルノ 第41話「ヴェイン・グリッチ」

試合終了まであと10分。スタジアムの座席を埋め尽くす観客達から、当初の熱気はもう失われいた。それほどまでに一方的な展開が、今もなお続いている。

陰鬱な空気の中、フィールド中央に並ぶ選手用のゲーミングチェアの前に備え付けられた2台のモニターは残酷に開き続ける差を、機械的に映し出す。

 

冷え切った空気をかき消そうとしているのか、スタジアムを一望できる関係者ボックスの実況席からMCが軽薄な声を張り上げる。

『さぁさぁ!ギアス=ピット社主催、第2回ゲーミング・インフェルノ準決勝もそろそろクライマックスとなって参りました!あの往年の名作RPG「ギアス=クエスト」の最初のダンジョン、始まりの森における8時間耐久レベリングスコアタック!勝利するのは前回優勝者でもあるピット社所属・須黒タスク選手か、それとも今大会初出場の無所属・降谷ルイ選手か!?』

 

わざとらしく説明的な実況を聴き流しながらルイは一心不乱にコントローラのスティックを弾きボタンを叩く。プレイ前にポニーテールに纏めた髪も夢中で操作する間にほどけ、顔に掛かった長髪の影が彼女の鬼気迫る眼光を際立たせる。

 

関係者ボックスには全身黒づくめに仮面までつけた姿のギアス=ピット社の社長が無言でルイを見下ろしている。普段は人前に姿を見せないその異様な佇まいに少し気を取られながらもMCは続ける。

『おっと降谷選手、ここでラストスパートを掛けるか!しかしここまでのプレイで須黒選手との差は絶望的に開いてしまっているが大丈夫か!?大丈夫なのか!?』

 

ピット社が用意したMCの煽るような口調に軽く舌打ちをしつつもルイはタスクのモニターに軽く目を向け、すぐさま自身の操作に集中しつつも低くボヤく。

「絶望的、か。プレイもせずにヤジるだけの奴は気安く言ってくれるから困ったもんね」

 

オーロラビジョンにはスタジアム中の観客にもわかるように2人の操作するキャラクター、最初のダンジョンでレベルを上げ続ける主人公の黒騎士の現在のレベルが大きく表示されている。

 

タスク Lv.204

ルイ  Lv.72

 

通常Lv.8ほどで最初のボスである森奥の魔犬を倒しLv.60程度でラスボスを倒せるレベルバランスのこのゲームとしては異様としか言えない状況ではあったが、2人の間に開いた大きな差が更に異常な空気を醸していた。

 

ルイの隣の席にゆったりと腰かけるタスクが声を掛ける。

「いい加減そのコントローラを投げ出したらどうだ、降谷。お前のプレイングは中々のものだが、すでにこのスタジアムでお前のプレイに前向きな関心があるのはお前自身のみのようだが?」

「私自身が前向いてるなら上等じゃんか。まだまだ勝負はここからだっつーの」

 

ルイの返しを空元気と捉えたタスクはやれやれと薄ら笑いを浮かべながら腕を組み深く座り直す。高性能な連写機能と入力記憶機能を備えたピット社製コントローラによりタスクの黒騎士は人間の操作ではありえない高速・高精度・最高効率の雑魚狩りを自動的に繰り返す。マップ上の左右移動と戦闘画面での入力決定・演出スキップは寸分の狂いもなく、タスクはただそれをコーラとポテチをお供に眺めるだけだった。

 

ルイのサポーター席に付くヤスミも、最早沈痛な面持ちで見守ることしか出来ない。

「こんなの酷すぎるっスよ……。ルイさんはちゃんと自分でストーリーを追ってここまでプレイしたのにあいつは機械に全部読み飛ばさせて……このままじゃルイさんは……」

 

勝利を確信したタスクがコーラを呷り、歪んだ笑顔をモニターに向けたまま言う。

「分かっただろう?これがゲームを攻略するという事だ。ケバケバしい電光の画面の下に広がる空虚なゼロと1の羅列。機械的に信号を送り続けることで崩壊する虚構の世界。お前はあくまで自身の手でストーリーを追って最初からプレイする事に拘っていたようだが、それが無価値な自己満足だということがもう直ぐ証明されるというわけだ。……こんなもの、自分の手でクリアするものでもないとな」

 

最後は虚な真顔になりながらも言い切るタスクに、フンとだけ返してルイは尚も操作を続ける。

 

黒尽くめの社長は微動だにせず、MCは構わず騒ぎ立てる。

『さぁ残り時間は5分を切った!これはもう決まったか!?』

 

それでもルイの集中力は研ぎ澄まされていた。MCの煽り、観客の諦観、ヤスミの嘆き、そしてタスクの嘲りさえもまとめて背中に捕らえて推進力とし、全てのエネルギーを画面とコントローラに注ぎ込む。ゲームを攻略する。

 

「それが私にできる全て。私がやらなきゃいけない全て。そして……」

 

(『ルイのプレイは面白いね。隣で見てるだけでも楽しいな』)

 

同じゲームサークルで出会い、ルイ・ヤスミと共にギアス=ピット社の裏の顔に近づきすぎた為に2人を庇って闇へと消された宇佐見マコ。極限状態のルイの脳裏に親友である彼女の笑顔と声が蘇る。

(『僕は下手っぴだからルイと一緒にプレイするのは難しいけど……。そうだ、この前ネットで見つけたこの裏技なんだけどさ、ちょっと試してみない...?とある昔の名作RPGの都市伝説みたいなのだけどルイなら成功させられるかも』)

 

(「マコ……」)

(「この戦いの先に貴女はきっと……」)

(「私は絶対にこの先に……!」)

 

「これが私のやりたい全てだ!!!」

 

叫びと共にルイがコントローラを高速で捌いた刹那、終了のブザーが鳴った。

 

静まり返る会場でタスクはつまらなさそうに鼻を鳴らし、ビジョンに目も暮れずに立ち上がる。

「くだらない」

 

ルイは席についたまま息を切らして俯いる。タスクは一瞬憐れむようにルイを一瞥して席を後にしようとした。

しかし。

『こ、これは……!』

 

MCと観客のどよめき。ヤスミは声も出せずにパクパクと口を開け閉めしている。

全員がオーロラビジョンを見上げて固まっていた。

タスクが訝しげにビジョンを見上げるとそこには。

「なんだと……!?」

 

タスク Lv.209

ルイ  Lv.85983232

 

信じられない数字が踊っていた。タスクは猛然と踵を返してルイのモニターにかぶりつく。そこにはビジョンと同じく、ステータスウィンドウを突き破って表示された黒騎士の異様なレベル数が表示されていた。

ルイが顔を上げ、汗で顔にへばりついた髪をかき上げニヤリと不敵な笑顔をタスクに向ける。タスクは狼狽で返すことしか出来なかった。

「貴様、一体何を!?」

 

ルイはパーカーの袖をまくり、左腕にサインペンで書き込んだカンペを見せつける。試合開始直前まで読み込んで覚えたものだ。

「『始まりの森に入る前に道具屋と宿屋の裏道から進みサブクエストを受理した上で森のブルースライム、人喰いアルマジロ、踊りバナナを合計50体以上倒して通常後回しにされるサブクエストの条件を満たした後、持ち物から毒消しぼた餅をアイテムスロットの2段目に入れてXボタンを3秒以内に7連打。その後森の入り口のセーブポイントの周りを右回りに回ると一周する度にレベルが倍になる。』ってさ。とある昔の名作RPGの都市伝説だよ。知らないの?」

「な、なんだそのふざけた……」

「知らないんだろうね。これはね、このゲームの今はもう見られない公式ホームページのコラムコーナーにひっそりとリンクしてあった初心者救済の裏技だよ。何時間もレベリングしても最初のボスすら倒せない下手っぴを先に進ませてあげる開発者の優しさだか遊び心だかエゴだかの残滓だね。このゲーム最初のボスも強かったからなー」

「そんな物、知るはずが」

「ゲーム内にも超分かりにくいヒントはあったんだけどね。旅に送り出してくれる村長のエールの中とか図書館の司書さんのオススメの棚の魔法書とかその辺りにね。まぁそういうのが無意味な虚構だって思ってるうちは絶対にたどり着けないかなって訳だけど」

「馬鹿な……」

 

タスクが床に座り込む。そこでルイは初めてフッと力を抜き、柔らかな表情をみせた。

「昨夜あんたのマネージャーに聞いたよ。育成対戦ゲーム『バゲット・テイマー』の熱心なファンだった学生時代のあんたが、当時地方大会の予選で金を払って代理育成された異常に強いバグ個体を使う対戦相手にボロ負けしたのが今のあんたを形成するきっかけだって」

 

タスクは顔を背ける。表情は見えなくなったがルイは続けた。

「そんな事があったら不貞腐れる気持ちもわかるよ。ゲームなんて数字と機械操作でどうにでもなるただの虚構だって。でも私にとってゲームは『体験』だ。王道の地道な歩みも、ふざけた外法の裏道も、どっちにしたって自分の手でやり込んで楽しむから前に進める。自分の足で踏み進めば虚構も現実の景色と変わらないってね」

「……」

「まぁ、また勝負したくなったら言ってよ。いつで受けて立つからさ」

 

その場で何かを考え込むタスクを置いてルイはその場を離れた。

 

半泣きで駆け寄るヤスミを宥めながらルイは関係者ボックスを指差して叫ぶ。

「さぁ、確か決勝戦は特別シードだとかでピットの社長自らお出まししてくれるんだっけ?ふざけたマッチングだけど私には好都合。直々にぶっ飛ばして聞き出さないといけない事があんの!」

 

しかし、関係者ボックスに社長の姿は無かった。虚をつかれたルイだったが、直ぐにスタジアムの中央に歩み寄る真っ黒な姿を捉える。そして……?

 

「聞き出したいことか……」

 

マスクの下から聴こえた声に引っかかるルイ。その引っかかりが形になる前に、黒尽くめの影がマスクに手を伸ばし、それを外す。

 

涼やかな笑みを浮かべた素顔が露わになった。

 

「わざわざ聞くまでもない、僕はそう思うけどね……」

 

「……マコ?」

 

 

続く

 

 

 

 

続きません > (・ω・`)))><